【制作の小話】ストーリーを1枚のイラストで表現する

こんにちは、イラストレーターの林鮎香です。

桜が散り、すっかり初夏のような気候になってきました。
ゴールデンウイークはどこか出かけたいな、いや、人込みは嫌だな…と思いながら、制作をしている毎日です。

今日は、日々イラストを制作する中で大切にしていることについて書いてみようと思います。


制作をするにあたって大切にしていること、それは「ストーリー」です。

ストーリーがあることで、イラストの独自性が生まれると考えているからです。

絵が上手い人は星の数ほどいらっしゃいます。
AIが「それっぽい絵」を描ける時代になりました。
その中で埋もれない作品・光る作品を制作するには、技術はもちろん、独自性が必要だと思います。

場合によっては、「インスタント食品のようなイラストで事足りる」ということもあるでしょう。
(※私はインスタント食品も大好きです。誰が作っても味が同じと言う意味で例にしています。)
しかし、やはり人の心を動かすのは、人が考え描いたイラストだと私は思います。


そのため、イラスト制作をする際には、テーマやキーワードからストーリーを自分なりに考え、構想・制作しています。
そして、そのストーリーを1コマ(1枚のイラスト)で表現するために、構図やモチーフを選んでいます。



例えば、一番新しい作品である「端午の節句」。


こちらは、食卓を見つめる子供を描いた作品です。
また、その前作の「好奇心」に続いて、子供と食文化をサブテーマにしています。


食文化というサブテーマから、今回はモチーフに柏餅を選びました。
子供って、見慣れない食べ物に興味深々ですよね。
しかも、美味しいものは食べなくてもわかるようで、テーブルの周りをぐるぐるぐるぐる…(笑)
「端午の節句」では、そんなハレの日のワクワクを描いています。

ストーリーを端的に表現するために、モチーフ選びは慎重に行いたい作業です。

「端午の節句=鯉のぼりでは?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。
今回は鯉のぼりは入れませんでしたが、鯉を想起していただけるといいなと思い、テーブルクロスに伝統模様の鱗を描き入れました。
鱗模様は、三角形を上下左右に配置した模様で、魚や蛇の鱗に見立てられています。
三角は魔除けや厄除けの意味もあるそうで、端午の節句にも合う模様だと思います。

また、花器や食器は備前焼を選びました。
地域に伝わる焼き物はどれも魅力的で、甲乙つけがたいです。
今回備前焼を選んだのは、男性的な雰囲気があることと、質感が描いていて楽しそうだったから。
備前焼のおおらかさは、子供の成長を願う行事にはぴったりだと思います。


いかがでしたでしょうか。
1つの作品を例に、イラスト制作で大切にしている「ストーリー」についてをお話しました。
作品ごとにストーリーを考えているので、書き出すとキリがありません。
まだまだ身に着けたい技術もたくさんあるので、「こうありたい」という希望を込めつつ、恥ずかしい気もしながら書かせていただきました。


ご依頼いただくイラストも、まずは自分のものとして落とし込むために、まずはイラストのストーリーを考えたり、モチーフを選んだりしています。
ご希望とズレがないよう、打ち合わせではご意見をいただきながら、私なりのご提案をさせていただいています。
自主制作も、クライアント様と2人3脚で制作するイラストも、どちらも学びがあり楽しいです。
新しいものを作る一員として、林鮎香をご指名いただけましたら嬉しいです。

現在、次の制作に取り掛かっています。
イラストで「伝えたいこと」を伝えられるように日々制作をしていますので、応援よろしくお願い致します。
作品発表も当サイトで行っておりますので、またどうぞいらしてくださいね。


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