こんにちは、イラストレーターの林鮎香です。
今日は、私が使用している画材について書いてみようと思います。
お仕事ではデジタルイラストをご依頼いただくことが多いため、「林鮎香=デジタルイラストの人」というイメージがあるかもしれません。
しかし、もともとはかなりのアナログ人間で、ご依頼にお応えできるよう、試行錯誤しながらデジタルでの制作を身につけてきました。
現在も学び続けている最中ですが、当初を振り返ると、ずいぶんスムーズにデジタルで制作できるようになったと感じます。
デジタルとアナログ、それぞれの良さ
デジタルイラストの長所は、作業効率がよく、入稿までスムーズに進められることにあります。
また、アナログに比べて印刷での再現性が高いことも、大きな魅力です。
一方で、デメリットとしては、均一的な表現になりやすいことが挙げられます。
そのため、制作の際には、そうした印象にならないよう、線や色、質感などを調整しながら制作しています。

少し余談になりますが、我が子が小さかった頃は、デジタルには「安心感」というメリットもありました。
データのバックアップを取りやすいことに加え、画材を誤って口に入れてしまう心配もありません。
制作環境としてのデジタルは、そんな意味でも心強い存在でした。
一方、アナログイラストには、手作業ならではの「ゆらぎ」があります。
画面の質感や凹凸、線の揺れや色のにじみなど、描き手のリズムや呼吸が感じられる点が魅力です。
そのため、近くで原画をご覧いただくと、印刷物とはまた違った面白さを感じていただけると思います。
下に掲載するアナログイラストは、棒絵具と墨、色鉛筆を使用して描きました。
上のデジタルイラストと同じ青色ですが、受ける印象はかなり違って見えるのではないでしょうか。

アナログのデメリットとしては、デジタルに比べて写真や印刷での再現が難しいことが挙げられます。
しかし、だからこそ、実際に原画をご覧いただくことにも意味があると感じています。
現在、原画を直接見ていただける展示の機会を設けたいと考え、少しずつ調整をしています。
当ホームページやインスタグラムでも告知をさせていただきますので、フォローしてお待ちいただけますと大変嬉しいです。
画材は「伝えたいこと」に合わせて
制作における画材については、今も昔も、私自身に強いこだわりやルールがあるわけではありません。
描きたいものや伝えたいシーンに合わせて、そのときに使いたい画材を選んでいます。
これまでは、デジタルとアナログ、それぞれの良さを生かすために、場面に応じて使い分けてきました。
その基準をあえて言葉にするなら、私の中では「公」と「私」というイメージがあります。
「公」は、遠くからでも内容をしっかり伝えたいとき。
「私」は、近くでじっくり、しみじみと感じてもらいたいとき。
これまでのお仕事は「公」のお仕事が多かったため、デジタルでの制作が中心でした。
これからは「私」の割合も少しずつ増やし、見る人、伝える人と、より近い距離感で制作できたらと考えています。
もちろん、ご依頼の際には「デジタルかアナログか」の二択ではなく、ご希望のイメージや用途に合わせて柔軟に対応しています。
たとえば、アナログで描いたものにデジタルで加筆して印刷に適した作品(左下)に仕上げたり、アナログで描いたような風合い(右下)をデジタルで表現したりすることも可能です。
AIが身近になった今、思うこと
最後に、デジタルイラストを制作する身として、近年避けては通れないのがAI生成の存在です。
AIの普及によって、デジタルで画像をつくることは、以前よりもずっと手軽になったと感じています。
予算や目的によっては、AI生成が適している場面もあることと思います。
一方で、こうした変化の中で改めて感じるのは、「人が描くもの」に魅力や価値を感じてくださる方が、たくさんいらっしゃるということです。
私の表現を信頼し、ご依頼くださる方々の存在に、日々励まされています。
伝えたい人も、創る人も、生身の人間です。
どんなことを伝えたいのか。
どんな人に伝えたいのか。
そのためには、どんな色や形、タッチや質感を添えようか。
そんなことをクライアント様と一緒に考えながら、さらに「林鮎香にしかできないこと」を探り、ご提案していきたいと思っています。
ご相談もどうぞお気軽にお問い合わせください。
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